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第2回 不動産広告の「徒歩分数」の基準と2022年の改正点

「物件を探す時に駅からの徒歩分数を気にする人は多いと思います。
「駅徒歩3分」と書かれていた時に、実際に歩くと5分くらいかかったというケースは少なくないですが、なぜここまで差が起きてしまうのでしょうか。今回はそんな疑問にお答えします。

不動産広告表記が1分80メートルに決まった背景

不動産広告で表記されている「徒歩1分」は、道路距離で80メートルと決まっていますが、この基準は不動産の表示に関する公正競争規約に基づいており、1963年に制定されました。この基準が設定された背景には、昭和30年代に不動産業界で横行していた悪質な虚偽広告の問題があります。

昭和30年代の不動産広告は、物件をよく見せるために嘘の情報を載せるなどの詐欺行為が日常茶飯事に多発していたようです。そこで当時の公正取引委員会は不動産広告における明確なルールを設ける必要があると判断しました。
そして実際にハイヒールを履いた女性が歩く速度を基にした結果、「徒歩1分=80メートル」が採用されました。この提案は当時の公正取引委員会の女性職員によるもので、その職員が実際にハイヒールで歩いて測定した結果に基づいています。

ちなみにその女性職員の趣味は山歩きで、とても健脚だったらしいです。
ハイヒールで80メートルを徒歩1分で歩くのはなかなか速いですよね。

<補足> 以下のルールで算出されています
①直線距離ではなく、道路距離をもとに算出する。
② 横断歩道や踏切等を横断する時は、待ち時間は考慮しなくても良い。
③ 坂道で実際に歩く時間がかかるとしても、坂は考慮せずに道路距離で算出する。
④ 駅の改札口からホームまでの距離は含まれず、駅舎の「出入口」までの距離で算出する。

2022年(令和4年)9月1日から不動産広告の表示方法が変更に

2022年9月1日の「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」や「表示規約施行規則」の改正案が施行されました。これまでは、マンションなどの分譲住宅で徒歩所要時間を算出する際、主要施設から最も近い敷地までの距離を用いて算出していましたが、改正案の施行に伴い住宅の「出入口」を起点に徒歩所要時間を算出することになりました。

つまり出入口が2ヵ所あるマンションでは、メインエントランスではなく、サブエントランスを起点とすることも可能なので、部屋の位置によって分数表示が異なることもあります。また、数十棟と建っている団地群では、同じ敷地内の団地でも号棟によって徒歩分数が変わるということです。
この改正は消費者にとってより分かりやすい情報提供を目的としていますので、改正後はより実態に近づいたと言えます。


<とても大事なこと>
徒歩1分未満の端数が生じた場合は、切り上げ計算すると定められています。
その為「徒歩10秒」でも「徒歩1分」と表記しなければなりません。仮に建物が道路を挟んだ目の前にあっても徒歩1分の表示なので注意して下さいね。