不動産を売却するには、購入を検討している方が「この部屋を買いたい」と強く思う必要があります。
この「買いたい」という意欲を強くするポイントや、意欲を削いでしまうマイナス要素を改善する方法について解説します。
目次
住宅の内覧が勝負の分かれ目！
ご自宅や別荘の売却を不動産仲介会社に依頼すると、購入を検討しているお客様がその会社を通じて内覧に訪れるようになります。売主様がまだその住宅にお住まいの場合もあれば、すでに新居へ移って空き家となっている場合もあります。特に別荘などのリゾート物件では、売主様が不在の際に、不動産会社の立ち会いのもとでお客様が内覧するケースが一般的です。スムーズな売却を実現するためには、内覧に訪れた方が「この家に住みたい」と感じられるよう、物件をできる限り魅力的な状態に整えておくことが大切です。
Point1：お部屋は清潔に保ち、室内の荷物は整理整頓する
内覧時に好印象を残すためには、清潔感が大切です。
ここでは、内覧前に特に注意したい箇所と、その整え方のポイントをご紹介します。
キッチン
コンロやシンクの汚れはしっかり拭き取り、丁寧に磨いておきましょう。生ごみやにおいのあるものは残さず、食器や食料品は棚に収納しておくと清潔感が出ます。
浴室・洗面所
カビや水垢、埃はきれいに清掃しましょう。不在時に汚水の臭いが上がってこないよう、排水口の管理にも気を配ることが大切です。
トイレ
臭いやカビ、水垢、埃をしっかり除去し、常に清潔な状態を保ちましょう。便器の蓋は閉めておくと、より整った印象になります。
各居室
室内の物は整理し、できるだけ広く見えるように工夫しましょう。小物類も可能な限り収納の中に片づけておくことをおすすめします。
寝室
ベッドはしっかりとベッドメイキングを行い、布団の場合は収納しておきましょう。整った寝室は落ち着いた印象を与えます。
玄関
靴や傘はすべて収納し、床（三和土）は埃やゴミがないように掃き掃除をしておきましょう。第一印象を左右する重要なポイントです。
窓ガラス
窓ガラスは拭き上げて、日光が気持ちよく差し込むようにしておきましょう。特に海沿いのマンションなどは、汚れがつきやすいため注意が必要です。
ベランダ・バルコニー
洗濯物は必ず取り込み、部屋の中と同様に物は収納するか、一か所にまとめておきましょう。すっきりした印象が大切です。
クローゼット・ロフト
内部の広さや造りを確認されることを想定し、整理整頓を心がけましょう。物を乱雑に押し込まず、見られても良い状態にしておくことが大切です。
その他
障子や網戸などが破れているとだらしない印象を与えるため、事前に交換しておきましょう。多湿な環境では、カビや臭いが発生しないよう除湿器を設置し、湿度を管理します。すべての物を撤去して売り出す場合は、ハウスクリーニングの実施をおすすめします。
外装・外観・庭（戸建の場合）
コケや汚れが目立つ場合は、高圧洗浄や外壁の塗り替えを検討しましょう。庭の雑草は抜き、庭木がある場合は剪定しておくと良い印象になります。門扉から玄関までのアプローチや庭がきれいに整っていると、来訪者の印象もぐっと良くなります。
Point2：売却の為のリフォームを検討
中古不動産は基本的に設備や傷、汚れ等は現況渡しとなりますが、家具を撤去した後の日焼けや煙草によるヤニ汚れ、ペットによる壁の傷、損傷、剥がれがひどい場合は壁クロス等の貼替等の簡単なリフォームをお勧めしています。リフォームが必要な状態のお部屋は印象が悪いのと同時に売買金額の値引きの理由とされがちです。またリフォーム費用の目途がつくまでに検討に時間がかかり、成約に至るまで時間がかかる傾向にあります。
Point3：ホームステージングの検討
部屋が空室となっている場合、室内がガランとしていて利用した時のイメージが付きにくいです。そのようなお部屋に家具や照明、グリーンや小物を置いてモデルルームのように演出する事をホームステージング（Homestaging）といいます。別荘などではお洒落な雰囲気やリゾートらしい空間を演出し、その部屋で暮らすイメージを提案出来ます。また、すぐに利用できるお部屋に見せる工夫をすることで、Web広告などで多くの方の目に留まり、成約に至るまでの時間が短縮される傾向にあります。設置した家具類等そのまま購入頂ける場合はお客様にも好評です。是非ご検討下さい。
Point4：内覧のための準備・工夫
玄関にスリッパを用意
内覧者が気持ちよく室内を見学できるよう、清潔なスリッパを玄関に用意しておくと丁寧な印象を与えます。
居住中の場合は、不在での内覧も検討
内覧者が気兼ねなく室内の細部まで確認できるよう、あえてご自身が不在にするのも一つの方法です。
バルコニー用の外履きを準備
バルコニーに出る際のサンダルなどを、出入り口付近に置いておくと内覧者への心配りが感じられます。
眺望の写真を用意する
雨天や曇天の日に内覧が行われる場合に備えて、晴天時の眺望写真（海や富士山、花火など）があると、物件の魅力をより具体的に伝えられます。
Point5：内覧時の対応（居住中の場合や案内の立会いをする場合）
売主様が居住中の場合は、購入希望者の来訪があれば、状況により対応する姿勢が必要です。質問にはできるだけ親切に誠意をもってお答えすることが大事です。たとえば建物の周辺環境や住み心地、あるいは交通の便等についてです。
売主様は不動産の良いところをアピールするチャンスになりますので、誠実にお答えいただければと思います。
