セーフティネット住宅とは、住宅確保要配慮者(高齢者、障がい者、子育て世帯など)の入居を促進する賃貸住宅のことです。
増え続ける空き家を活用する制度で、住宅補助もあり条件が整えば安価で借りることができ、生活相談や見守りなどのサポートも受けられます。
今回はセーフティネット住宅のメリット・デメリット、入居条件などを簡単に説明します。
【第5回目】セーフティネット住宅のメリット・デメリット
5つのメリット
その❶ | 家賃滞納の心配がない |
その❷ | 居住支援法人等も賃借人募集の窓口となる |
その❸ | 居住支援法人等から入居者サポートを受けられる |
その❹ | 「空き家」や「空室」の有効活用ができる |
その❺ | 住宅改修費用の補助制度がある |
5つのデメリット
その❶ | 制度が始まって日が浅く実績面で不安 |
その❷ | 物件の条件がそぐわないケースがある |
その❸ | 住宅確保要配慮者の為の修繕が必要 |
その❹ | 入居者は何かしらの事情を抱えている |
その❺ | 制度そのものの認知度が低い |
住宅セーフティネット制度の3つの大きな柱
人口の減少、空き家の増加、事情により借りたくても借りられないといった状況をふまえ、2017年10月から新たな住宅セーフティネット制度がスタートしています。この制度は、以下の三点から成り立っています。
❶ 住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度
土地・建物の賃貸借については、賃借人保護のために、賃貸人からの一方的な更新拒絶や賃料の値上げ等に当たって「正当事由」を要するとされています。
何が正当事由となるかは、裁判での判断に委ねられておりここで断定的な内容は記載できませんが、周辺相場が著しく上がったなどは該当する可能性が高いそうです。
❷ 専用住宅にするための改修・入居に向けた経済的支援
登録住宅の改修への支援として、改修費に対する補助制度があります。なお、改修費補助を受けた住宅については、10年間は入居者を住宅確保要配慮者に限定した登録住宅(セーフティネット専用住宅)として管理していただく必要があります。
❸ 住宅確保要配慮者と建物のマッチング・入居支援の枠組み
今回の法改正で、都道府県が、居住支援活動を行うNPO法人等を、賃貸住宅への入居に係る情報提供・相談、見守りなどの生活支援、登録住宅の入居者への家賃債務保証等の業務を行う居住支援法人として指定することが可能となりました。
生活保護受給者については、代理納付に関する新たな手続きが設けられました。また、家賃債務保証業については、適正に業務を行うことができる者として一定の要件を満たす業者を、国に登録する制度を創設しました。
さらに、家賃債務保証業者や居住支援法人が、登録住宅に入居する住宅確保要配慮者に対して家賃債務を保証する場合に、住宅金融支援機構がその保証を保険する仕組みも創設しました。
つまり「住宅セーフティネット制度」は貸す側と借りる側それぞれの不安要素を取り除き、希望のマッチング促進に向けた仕組みを整備しています。
今回は住宅セーフティネット制度の簡単な説明とメリット・デメリットを記載させていただきましたが、この制度がしっかり機能し、誰もが安心して暮らすためには、安全性の確保や医療、福祉サービス、支え合いの機能などを地域で取り組むことも必要となります。そして「お互いに支え合う」という住民の意識が必要不可欠になると思いますので、まずは認知・理解を高めていくことからスタートしてみてはいかがでしょうか。